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二死満塁

2011



半分だけ食べた味付けゆで卵を投げ捨て、宗男の落ちた土手に急ぐげんさん。




草をかき分け宗男の落ちた場所に行くと、そこには小さいブルーシートの下に偶然ベニヤ板とブルーシートがあった。


周りには使いふるされたヤカンや空き缶、明らかに最近まで誰かが住んでいたのだろう。



その上に非常階段のマークのように横たわる宗男。




げんさんが、慌てて脈を計ると、まだかすかにある。


『誰かー!!誰かー!?』



河川敷を見回し、マウンテンバイクで通り過ぎる人も気付かず、遠くでランニングをしている人も、イヤホンをして届かない。






げんさんは慌てて宗男のポケットをまさぐり、宗男の嫁らしきフィリピン人と赤ちゃんの、家族3人笑顔のプリクラが貼られた携帯を取り出しだ。




げんさんは、一瞬それを見て、急いで119を慣れない手付きながら押した。






『はぃ119です。どうなされましたか?』








げんさん

『あ、あの!早く!河川敷です!人が‥ぁいや‥』






『落ち着いて下さい。冷静に周りを見渡して、ゆっくり状況と場所を正確にお願いします。』







げんさんは息を荒げながらも、宗男を見て言った

『人が‥







‥いや。









人を‥














突き落としてしまいました。






続く。。

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