二死満塁
西日が差し込んできた、めぐるの病室。
ゴンザとにくまん、めぐると母の4人で盛り上がっている中、めぐるの余命を聞いてしまった周助は、普段と変わらぬ表情で入ると、にくまんが言った。
『いくら周ちゃんが許嫁だからって10年経ったら別人に見えちゃうのかなぁ(笑)?』
めぐるは、優しく首を横に振り、ふと周助の左手を見た。
それに気付いた周助は指輪を見せ
『ぁ俺、結婚したんだ。子供も2人いる。』
めぐるはゆっくり嬉しそうに頷いた。
めぐるの母が、奥にある花瓶の水を変えながら
『周助君、あんたのために、毎年かかさず倒れた日に来てくれてたのよ?』
と言うと、めぐるは恥ずかしそうな周助に、ふざけて拝んだ。
めぐるは、声が出にくいのか『書くものはないか?』とジェスチャーで言うと、経過を見にきた看護婦さんが紙を裏にして、胸にさしたペンと渡してくれた。
めぐるは、力なくゆっくり3文字を書き、みんなで覗いた。
『しあ‥い?』
めぐるは何度か頷いた。
ゴンザ
『アノゲーム、ドウナッタカ気ニナルデスYo』
マネージャーのめぐるは、ライトの宗男が捕るか捕らないかの時に、目の前が真っ暗になりベンチで倒れ、運ばれたのだ。
周助、ゴンザ、にくまん
『・・・』
にくまん
『実は‥』
食いぎみで周助が言った。
『勝ったよ。』
ゴンザとにくまんは振り返ったが周助は続けた。
『ほら、そこの上にあるだろ?ウィニングボール』
みんな
『・・・』
その時、
『コトッ‥』と廊下から音がしたので、めぐるの母が廊下を見てみると、小鉢のひまわりが部屋の前に申し訳なさそうに置いてあった。
母
『?誰かしら‥』
その会話をめぐるの病室の外で聞いた宗男は、うつむきながら、めぐるの部屋に入れず病院を後にした。
そのあと、元監督のげんさんもまた薬の入った袋を持ったまま、ゆっくり老眼鏡をかけて背中を丸めて病院の自動ドアを出た。
《めぐるの病室》
ボールを眺めてるめぐる。
周助
『じゃそろそろ僕達行きます。』
めぐるの母親はかしこまり
『本当にありがとうね。』
ゴンザとにくまんはめぐるに
『オメデトウ。ゆっくり休みな。て起きろよ(笑)』
周助は何も言わず、めぐるの頭をクシャクシャっとしてから、3人で廊下に出て歩いた。
《病院廊下》
にくまん
『すぐにバレるよ?』
周助
『‥何が?』
にくまん
『何がって‥』
周助
『俺が間違った事言ったか?ウソついたか?』
ゴンザ
『NO』
周助
『じゃいいじゃねーか。』
にくまん
『でも‥』
《廊下を歩く3人の背中》
《トイレで顔を洗う父》
《病室で嬉しそうにめぐるの髪の毛をブラシする母》
《ゆで卵を食べながら土手の橋を渡ろうとする、げんさん》
《どこまでも晴れ渡る空》
《その空の下で、橋の真ん中くらいで手すりによじ登って立っている男》
『ん?』と老眼鏡を指で下げ見つけるげんさんは
『‥なんじゃ?‥ひ‥人?ま、待ちなさい!』と精一杯に杖をついて歩くと、振り向く男。
げんさん
『‥宗男?』
宗男が
飛んだ。
続く。。
ゴンザとにくまん、めぐると母の4人で盛り上がっている中、めぐるの余命を聞いてしまった周助は、普段と変わらぬ表情で入ると、にくまんが言った。
『いくら周ちゃんが許嫁だからって10年経ったら別人に見えちゃうのかなぁ(笑)?』
めぐるは、優しく首を横に振り、ふと周助の左手を見た。
それに気付いた周助は指輪を見せ
『ぁ俺、結婚したんだ。子供も2人いる。』
めぐるはゆっくり嬉しそうに頷いた。
めぐるの母が、奥にある花瓶の水を変えながら
『周助君、あんたのために、毎年かかさず倒れた日に来てくれてたのよ?』
と言うと、めぐるは恥ずかしそうな周助に、ふざけて拝んだ。
めぐるは、声が出にくいのか『書くものはないか?』とジェスチャーで言うと、経過を見にきた看護婦さんが紙を裏にして、胸にさしたペンと渡してくれた。
めぐるは、力なくゆっくり3文字を書き、みんなで覗いた。
『しあ‥い?』
めぐるは何度か頷いた。
ゴンザ
『アノゲーム、ドウナッタカ気ニナルデスYo』
マネージャーのめぐるは、ライトの宗男が捕るか捕らないかの時に、目の前が真っ暗になりベンチで倒れ、運ばれたのだ。
周助、ゴンザ、にくまん
『・・・』
にくまん
『実は‥』
食いぎみで周助が言った。
『勝ったよ。』
ゴンザとにくまんは振り返ったが周助は続けた。
『ほら、そこの上にあるだろ?ウィニングボール』
みんな
『・・・』
その時、
『コトッ‥』と廊下から音がしたので、めぐるの母が廊下を見てみると、小鉢のひまわりが部屋の前に申し訳なさそうに置いてあった。
母
『?誰かしら‥』
その会話をめぐるの病室の外で聞いた宗男は、うつむきながら、めぐるの部屋に入れず病院を後にした。
そのあと、元監督のげんさんもまた薬の入った袋を持ったまま、ゆっくり老眼鏡をかけて背中を丸めて病院の自動ドアを出た。
《めぐるの病室》
ボールを眺めてるめぐる。
周助
『じゃそろそろ僕達行きます。』
めぐるの母親はかしこまり
『本当にありがとうね。』
ゴンザとにくまんはめぐるに
『オメデトウ。ゆっくり休みな。て起きろよ(笑)』
周助は何も言わず、めぐるの頭をクシャクシャっとしてから、3人で廊下に出て歩いた。
《病院廊下》
にくまん
『すぐにバレるよ?』
周助
『‥何が?』
にくまん
『何がって‥』
周助
『俺が間違った事言ったか?ウソついたか?』
ゴンザ
『NO』
周助
『じゃいいじゃねーか。』
にくまん
『でも‥』
《廊下を歩く3人の背中》
《トイレで顔を洗う父》
《病室で嬉しそうにめぐるの髪の毛をブラシする母》
《ゆで卵を食べながら土手の橋を渡ろうとする、げんさん》
《どこまでも晴れ渡る空》
《その空の下で、橋の真ん中くらいで手すりによじ登って立っている男》
『ん?』と老眼鏡を指で下げ見つけるげんさんは
『‥なんじゃ?‥ひ‥人?ま、待ちなさい!』と精一杯に杖をついて歩くと、振り向く男。
げんさん
『‥宗男?』
宗男が
飛んだ。
続く。。
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