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二死満塁

2011

坂本ちゃん似の宗男が、次の角を曲がれば病院に差し掛かる頃












周助とにくまんの2人は、病院の1階の受付前を通り、エレベーターに向かっていた。


にくまん

『他のみんなは?』


周助

『キリ、まーしー、はかせの3人は仕事。ナベは繋がらないからメールしといた。浩一は携帯変わってて分かんね。宗男はそろそろ来ると思うけど。』




にくまん
『宗男とか久しぶりだなぁ~。あいつ成人式の時すでに髪の毛に来てたからねぇ。ツルツルだったりして(笑)』




周助

『お前が言うなよ』




にくまん

『俺は意図的なスキンヘッドだもん。』



周助

『違いが分からん。。』




にくまん

『げんさんは?もう来てる?』



周助

『あのじいさん、いまだに携帯持ってないから、家の留守電に入れといた。』




にくまん

『そっか。』



なんて話しながら歩きエレベーターホールに着くと、チーンという音とともにの3つあるうちの1つが開いた。



先に待ってた7人がまず乗り、ドアを抑えながら周助、最後ににくまんが乗った。






ブーブーブー!!!!と重量オーバーのブザー音。













乗ってる人達。

『‥』

周助
『‥』


にくまん
『‥』



周助
『‥おぃ。どう考えてもお前だべ‥。』




にくまん

『だって定員9人て‥』





周助

『いいから、みんな待ってんだから出なさいよ。あんた規格外なんだから!3階で待ってるよ。』




クスクス笑われる二人。




にくまん
『違うよじゃ周ちゃん降りてみ?』




周助

『いゃゃゃ、この流れで俺!?』と、外に出ると




ブー‥と音が止まりドアが閉まりながら、にくまんが

『じゃ先に部屋に行ってるねー♪』


周助

『おかしいだろ!』




と声を出したが、ドアが閉まり取り残されて恥ずかしくなり、下を向きながら次のエレベーターに乗ろうとすると、げんさんとすれ違った。




が、お互い気付かず、げんさんは1階の受付に、周助はエレベーターの奥に入った。





周助は、めぐるのいる3階に着き病室に戻る途中、別室で聞き覚えのある声を耳にし、『ん?』と足が止まった。




声『ウソですよね。。。』





めぐるの父の声だった。








周助はカーテン越しに、そのまま耳を済ませた。




さっきの医者の先生の声

『残念ながら‥本当です。これはまれに見るケースですが診断結果では、今も臓器にある細胞が良くなったわけではなく、転移性な物でむしろ悪化しています。おそらく持って‥』


周助
『!?』

周助は、その余命を聞いて時が止まり動けなくなる。
『‥‥‥‥ァ‥‥ハァ‥ハァ』

鼓動が速くなり、めぐるが目を覚ました時にこらえたハズの涙が急にこぼれた。



カーテン越しに、めぐるの父は弱々しくボソッと言った。

『‥ぃでください‥』



医者の先生は『はい?』





めぐるの父

『家内にも、娘にもこの事は言わないで下さい。』




周助は涙を拭いゆっくりめぐるの病室に戻った。

続く。。

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